南郷トマトの栽培は、雨よけビニールハウスと呼ばれる、側面や妻面が解放されているタイプのビニールハウスで栽培します
この写真(9月26日)の状態が完成形と呼べる状態なのですが、当然ながら圃場(畑)は最初からこの状態になっているわけではありません。一般的に南郷トマトは田んぼだったところにビニールハウスを立てて圃場にします。
私たちの圃場の場合も前年まで田んぼだったところを借りて、ビニールハウスを建てました。
この状態になるまでのビニールハウスの建設の様子を順を追って振り返ってみたいと思います。
ビニールハウス建設予定地決定
にわかには想像できませんが、田植え後2ヶ月弱の稲が育っている、水もたっぷり入ったこの2枚の田んぼが、翌年春にはビニールハウスが建ちトマトの圃場となるのです。
稲刈り終了からのライン引き
2枚の田んぼの稲刈りが終了したら、ビニールハウスの脇になる場所に排水のための溝を掘ります。そのためにはまずどこにビニールハウスを建てるかを測り、溝を掘るための目印となるラインを引きます。この写真では両脇の実線がハウスの輪郭線で、真ん中の点線が溝の場所を示しています。
溝掘り
ライン引きも無事に終わり、パワーショベルで溝を掘ります。そうは言っても、パワーショベルを動かしたこともなければ、ライン通りにまっすぐ掘ることなど出来るわけがありません。
今回は全面的に腕利きの方の力をお借りして、掘っていただくことにしました。
ぬかるみの酷いところなど、パワーショベルが進めなくなりそうなところもありましたが、2日とちょっとでまっすぐな8本の溝が掘り上がりました。感謝!
石拾い
田んぼの底には盤と呼ばれる水が漏れないように石と粘土の層があり、約50cmの深さで溝を掘ったので、一人では持ち上げられないような石も含めて沢山の石が出て来ました。
肥料袋とカゴを使ってソリのようなものを作って、田んぼの奥のクロ(畔)に運んで積み上げてみました。
排水パイプ埋設
ハウス間の排水のための溝は、田んぼの中から畔を超えて排水路に繋がるまで掘りましたが、そのままでは重要な通路でもある畔が通れなくなってしまいます。そこで、溝の中に排水のための塩ビパイプを埋め、畔を埋め戻して復元し通路を確保します。
塩ビパイプの勾配を確認し、ちゃんと田んぼの外にある排水溝の方に水が流れる状態であることを確認して、土嚢、土、石を使って埋めていきます。畔の高さまで埋まったら完了です。
積雪
12月に入ると雪が降っては溶けが繰り返し、年末から年明けにかけ雪はどんどん振り続き、ついに圃場(まだ田んぼ状態)は雪の下に完全に埋まってしまいました。これで春になるまで、圃場とはしばしお別れです。
炭撒き
2019年は3月に入ると、どんどん雪解けが進んでいきましたが、まだ圃場はほとんどが雪に覆われています。
少しでも早くハウス建ての準備が開始できるよう、雪を早く溶かすために粉状の炭をハウスの鉄パイプがくる位置を目標にして雪の上に撒いていきます。
なるべく均一に満遍なく撒きたいのですが、微風でも風に流されてなかなか上手くは撒けません。どうしても縞状になってしまいます。どうにか撒き終え、あとは雪が溶けてくれるのを待つだけです。